◆音楽信号データーとオーディオデーター

 当店のポリシーはいかに音楽信号を忠実に再生するかに主眼を於いています。
 オーディオにおきましてはあくまでソースを正確に再生することに意義があ ると考えております、従って音楽ソースもなるべくリミッターやイコライジング などの加工度の少ないものが良いと考えております。
そのような観点からナクソスを中心に取り扱い致しております。ナクソスは一部を除いて「ステレオワンポ イントマイク録音」が中心ですし音の 加工度も非常に少ないので当店のポリシ ーと相性の良いメーカーです。
 音楽再生における最大の問題は『音楽信号の変化の激しさ』です。変化の大 きさ、スピードにアンプやスピーカーが追従しきれない為に色々な問題が発生し ているのです。
特にCDの出現によりソースが飛躍的に進歩した為に益々アンプ やスピーカーの問題が浮き彫りになったと言えます。「最近CDの音が良くなっ た」という話を耳にしますが当店の見方は逆です。アンプやスピーカーの能力に 合わせてリミッターやイコライジング量を増やしたため再生が楽になった、とい うことであり、逆の見方をすればアンプやスピーカーの歪みをソースが受け持っ たにすぎない、ということになります。リミッターやイコライザーはありのまま の姿からすれば間違いなく歪みです。本来必要悪であり最小限の使用にとどめる べきと考えます。オーディオやソースはお互いがあって初めて成り立つものですからポリシー が重要になります。この問題は非常に難しく今のところ消費者の判断にすべて任 されている状態です。
 何故このように沢山の問題が生まれてきたかと言えばそれは音楽信号があま りにも広大で変化の激しい物だからです。従ってどうしても再生側は歪小かせざ るおえず、まさにオーディオがオーディオとして成り立っている所以です。当店 のポリシーはいかに歪小かを減らし少しでも生の音に近づけることです。TVの CMにある<何も足さない、何も引かない>が当店の理想です。 従ってオーディオを考えるとき一番重要なのはまず『音楽信号をどのように 理解するか』です。自分なりの音楽信号の理解をしそれに対してどのように自分 のオーディオを組み立てるか、オーディオの醍醐味はここにあると思います。音 楽信号の理解は感覚だけでは不可能です。どうしてもデータが必要です。音楽信 号やオーディオを科学的に捉らえることが重要になります。
 当店の重視しているデータや見方を述べて行きたいと思います。

1)音楽信号は不整形パルスの連続である
2)周波数と振幅の関係
3)中域の定義と重要性
4)音階はオクターブの法則で成り立っている
5)ダイナミックレンジが非常に大きい

1)音楽信号は不整形パルスの連続である

これは低域から高域まで全ての帯域に渡り、例えば音楽信号をオシロスコー プのブラウン管で見ますと鋭く変化するパルシブな波形が連続しています。ブラ ウン管の波形は電子の動きなので質量がないために元の波形を非常に忠実に際限 します。次のページを御覧下さい、一般の人はこの波形を見る限りバイオリンの 波形かドラムの波形か解りません、実はこの波形は主に弦楽器の波形なのです、 よく人は「柔らかいバイオリンの音」などと表現しますが、実はその中身はもす ごいパルスの連続なのです、つまり何故バイオリンの音が硬く聴こえるかと申し ますと、波形が伸びきっていないからなのです、ところが一般には立ち上がりが 早いから音がきつくなるのだと思われています。特にホーンスピーカーなどを使 用したシステムをお使いになるとドライバーの音がきつく感じられる場合が多い のですが、何故かと言いますとバイオリンの基音は数百Hz付近にあり主にウーフ ァーの領域にあるからです、つまりボケボケの基音のうえに鋭い倍音がのる為に きつく感じてしまうのです、ですから人によってはホーンを木製にしたりしま す、木製ホーンにしますと木は柔らかいので3dBぐらい音を吸収しますので倍音 成分が少しボケて、基音とのバランスが改善するからです、しかし本来のホーン の役目は能率を上げることにあるのですから本来の目的が損なわれてしまうこと になる訳です、しつこく言いますが音楽信号はすべての楽音がパルシブであると いうことです。 このことは特にスピーカーにとってものすごく重要な意味があります。普通 口径の大きなスピーカー程低音が出ると考えられています。ところが音楽信号が パルシブであるために、大きい口径のスピーカーは重くて動きが悪い、つまりパ ルシブではなくなりその次の図のような正弦波のような再生音となり音楽信号と かけ離れていってしまうのです、また振動板が重い為に一つの信号の動きが終わ る前に次の信号が入ってしまう、また本来10上がるべきところが3しか上がら ないというような歪みが発生します。


音楽信号は鋭いパルスのような変化の連続であることを より直感的に理解してもらうためYouTube上に動画を公開しています。

音楽を見てみよう!
  アドレスはこちら↓
http://jp.youtube.com/elexaudio

音楽信号は不整形パルスの連続である""

2)周波数と振幅の関係

オーディオ特にスピーカーにとって入力信号の激しい変化にいかに振動板を 追従させるかが一番大きな課題と言えます。何といっても問題は低音です振幅と 周波数との関係を見ますと同一音圧で周波数が1/2になると振幅は4倍になりま す、つまり1KHzで振幅1とすると4オクターブ下の62,5Hzでは同じ音圧で振幅は 256にもなってしまいます。そこに音の強弱が掛け合わされるのですから到底追 従は不可能です、しかし少しでもあるべき姿に近づけていくことが本来のオーデ ィオのあり方ではないのかと当店は考えます。 次図は無限大バッフルに16インチ〜1インチスピーカーを取り付け片側に17W の音響出力を放出しているときの振幅と周波数との関係を示したものです。 この図を御覧頂けれぼ16インチ(40cm)振動板が30Hzで約0.5インチの振幅が 必要になることが解ります0.5インチといいますと大体12.5mmとなり殆どのユニ ットは振幅不可能な値になってしまいます。振幅を減らすには口径を大きくすれ ば良いのですが(直系が2倍になれば面積は4倍ですから振幅は1/4に押さえる ことができる)ところが直径が倍になると質量が4倍以上になってしまいパルシ ブな音楽信号の入力に対し過渡特性が非常に悪くなってしまう、 低音再生と過渡特性は相反する関係にあります。この矛盾を同時に解決する方法 を見つけ出さないと本当の進歩はありえません、ですからある意味で低音再生と 過渡特性のバランスをどこに持ってくるかが思案の分かれるところとなります。 また音楽ソースによる違い(LPレコードとCDとの違い)によっても選択の仕方が 変わってきます。

周波数と振幅の関係

3)中域の定義と重要性

人間の声の最大音圧はおよそ330Hz付近にあります(下図を御覧下さい) 当店の考えでは音楽の基本の一つは人間の声にあると思っています。ですから人 間の声を中域と考えます。また声の最大音圧付近は中域の中心つまり<臍>と考 え一番重要な帯域と思います。またこのことを裏づけるようなデータがありま す、次のページのピアノの鍵盤と各楽器の基音の分布を御覧下さいピアノは最も 帯域の広い方の楽器で鍵盤の数は88鍵(白鍵)ですが下から44鍵(真ん中)は 329Hzと人間の声の最大音圧付近とだいたい同じ周波数帯となっています。ま たバイオリン(27)などは高音楽器に分類されますが最低基音は196Hzからで ますし低音楽器のチェロ(29)などの最高基音は659Hzまででます。高音楽器 のバイオリンと低音楽器のチェロが大きく交叉していて共に330Hzを含んでい るのが御理解頂けると思います。 500Hzを例に考えてみるとこの帯域はだいたいウーファーと呼ばれるユニ ットで再生されるために低音と思われがちですが、500Hz以下に鍵盤は51あり ます500Hz以上には37鍵盤です、普通 500Hz以下はウーファーで再生されますが、いかにウーファーが重要かが理解 できるはずです、またウーファーと言いますと低音ユニットのイメージですが、 3ウエイシステムですと、ロウ、ミッド、ハイと呼ばれミッドが中域と思われが ちですが実際には中域はウーファーユニットに属しますし、ミッドは中高域の再 生になります。バイオリンの音をいじるときはよくツィーターをさわりますが基 音から見れば当然ウーファーを改善すべきと言えます。 このようにオーディオはイメージよって解釈され実際の姿が解らなくなり目 的と手段が一致せず空しい努力になってないでしょうか、音楽信号をきちんと理 解した上で適切な対応をすることがいかに大切かお解り頂けると思います。

人間の声の最大音圧

ピアノの鍵盤と各楽器の基音の分布

4)音階はオクターブの法則で成り立っている

当たり前と言われそうですがピアノの最低基音は27.5Hzですが、1オクタ ーブ上は55Hz、更に1オクターブ上は110Hz、更に1オクターブ上は220Hz、 更に1オクターブ上は440Hz、更に1オクターブ上は880Hzというふうに周波数 は倍々で増えていきます。つまり27.5からオクターブ上の55Hzと、440Hzか らオクターブ上の880Hzはともに1オクターブであり等価であると言える、つま り可聴帯域を20Hz〜20KHzとすると真中は10KHzですが、誰も10KHzを真ん 中とは思いませんがオクターブで見ると可聴帯域は約10オクターブですかろ真ん 中は5オクターブめになります。20Hzからみると5オクターブめは640Hz〜 1320Hzになります。また基音の分布からみると100Hz〜1000Hzに殆どの基 音が集中しています。 話しは変わりますが一週間もオクターブの法則でできているそうです、オク トは8を意味しますが、周波数もオクターブの見地から眺めるべきだと思いま す。

音階はオクターブの法則で成り立っている

5)ダイナミックレンジが非常に大きい

バイオリンなどで約50dB、人間の声で約60dB、バスドラムで約80dB、オーケスト ラで約110dB、(楽器から3m離れた距離で測定)音圧に直すと0dBは20マイクロ Pa、整数にするとバイオリン300倍、人間の声1000倍、オーケストラ30万倍、と 大きな変化になります。 スピーカーの振動板はこの信号のダイナミックレンジと先程の周波数による 振幅の違いを掛合わせた動きをしなくてはなりません、このことを考えると気が 遠くなりますこの膨大な変化量に対してデジタルの優位性は揺るがないと言えま す。
ダイナミックレンジが非常に大きい


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