電話TEL.:0284-64-7346
FAX:0284-64-7347
・飾らない音への追求へ 高校に入ってから、音楽の嗜好が若干変わり、クラシックや器楽曲をよく聞くようになりました。はじめは大手レーベルのクラシックを聞いていましたが、ある日、知人に誘われて初めてエレックスに行きました。そこで、ナクソスというレーベルにはじめて会いました。エレックスに置いてあるスピーカで聞いたときに、今まで聞いたことのない臨場感に驚いたことは、記憶に新しいところです。そのときに購入していったナクソスのCDを自宅で聞いてみたところ、まったく臨場感というものがなく、スピーカに貼りついた音しか出なかったのです。がっかりしたのと同時に、オーディオの奥深さを知ったような気がしました。 それからしばらく経って、オーディオに詳しい知人に、「スピーカユニットが余っているから、スピーカボックスを作ってみないか」という話を持ち掛けられました。いままで粗大ゴミのよせあつめのシステムだった私は、二つ返事で了解してしまいました。 約1ヶ月の共同製作期間(と言っても、ほとんどやっていただいた感じですが)を経て、スピーカボックスが完成しました。ホーンユニット+ウーファーという2ウェイ構成のユニットに、それからのオーディオ人生を変えられてしまった位に、違った世界がありました。その後は、「いかにピュアな音を出すか」ということに主眼が置かれました。結果、現在のようなシステムになったわけです。まだまだ完璧ではありませんが、個人的にとても気に入っております。 |
・システムのPR
すべて結構年代物の機器類ですが、クラシックからニューミュージックまで、ほぼそつなく再生します。若干高音域が弱い念がありましたが、ネットワーク部にバイパスコンデンサを入れることによって改善してあります。自負ですが、ニスの光り具合が和室によく合うスピーカだと思っています。 |
・苦労した点 ほとんど苦労の連続でしたが、まず、低音と高音のバランスが合いませんでした。そのため、スピーカボックス下部にブロックを敷いてみたり、ボックス内部補強を強化してみたりいろいろやってみました。インシュレータ代わりに、ボックスとブロックの間に五円硬貨を4枚ずつ入れてあります。また、ホーンユニットの指向性が極端なため、リスニングポジションにあわせることが一苦労でした。ホーン部分が鉄製のため大音量時に共鳴してしまうので、デッドニングとしてホーン上部に水を入れたペットボトルを置いてあります。さらに、ホーンユニットとウーファーとの奥行きがずれていることによる位相ずれを軽減するために、ホーンを若干前に出してあります。 ・今後の展望 現在、真空管アンプを製作しようと思っています。もともと硬い音のするシステムなので、真空管の柔らかいサウンドをこのシステムで聞いてみたいですね。もしお金があれば、ホーン部分をウッドホーンにしてみたいです。ともあれ、まだまだ発展途上なので、手を入れるところは尽きませんね。 |
・システムの改良 前回こちらに掲載して頂いたときのシステムには、まだ未完な部分が多く、それゆえ色々と不満もありました。中でも、高音域が詰まってしまっている感じがかなりありました。ホーンユニットを使っているということで、再生能力は十分あると考えた私は、クロスオーバ周波数を変えてみたり、ネットワーク部にバイパスコンデンサを付加してみたりといろいろやってみましたが、どうしても納得のいくものが得られませんでした。そこで、思いきってツイーターを追加し、バイアンプにて動作させるために、今までの夢であった真空管アンプを購入しました。 |
・システム構成(改良後:☆印が追加したもの)
ツイーターは、今まで使っていたマランツのModel170DCにて動作させ、ウーファー+ホーンは今回ツイーターと一緒に追加したラックスのKMQ60(50CA10 PP 30w×2)にて動作させました。 ツィーターを載せてある台は、裏に鳴き止めの水入りペットボトルを置き、音質改善を心掛けています。 |
・改良に苦労した点 最も苦労した点は、方向性のまったく違う真空管アンプとトランジスタアンプのフィーリングを合わせることでした。真空管とトランジスタとでマルチアンプを組むということは、言いかえれば「丸と三角をぴったり合わせる」という事と同じ位難しいことでした。 KMQ60に関して特筆すれば、やはり30年近い年月が経っていたせいか、音がかなりナローレンジであったり、出力管の50CA10がオーバーロードを起こしてプレート全体が赤熱してしまうことが頻繁に発生してしまいました。いろいろと調査した結果、すべての部品で接触不良や経年劣化が激しく、それが原因だとわかりましたので、思いきってオーバーホールしてしまいました。その際、音声回路に使用されていた部品(R・C・配線材など)は、そのほとんどを音響用部品へと交換してあります。その結果、レンジがかなり広がり、トランジスタアンプに引けを取らないほどの「しっとりとした」音が再生されるようになりました。また、ドライブ管である6DT8ですが、この真空管の特性は「丸くて太い音」という傾向でした。大音量時にはいいのですが、小音量時にはかなり粗が目立ってしまいます。そこで、小音量時にはこれの代わりに、「繊細な音」の特性を持つ6FQ7を挿しています。(写真は6DT8使用時) ・改良後の感想 いままで噂で聞いてきた真空管アンプの実力を、はじめて実感できました。購入した当初はお世辞にも音がいいアンプだとは思いませんでしたが、オーバーホールを施した後は、ハイファイな音にも暖かさがある、といった感じになりました。いままでの不満要素であった高音部の詰まった感じも、ツイーターをつけたことによって払拭され、ボーカルの「サ行」や、ジャズのハイハットシンバルの透明感が格段に向上しています。 |
・今後の展望 これまでオーディオに触れてきて、たかが抵抗1本でも、音には多大な影響を及ぼすことがわかりました。現在、予算の都合でKMQ60のオーバーホールが途中な部分も有りますので、早急に全回路をオーバーホールしてみたいですね。部品を張り替えた後の音の感動は、何度経験しても新鮮です。将来的には、古い機器のほかに、最新の機器もそろえてみたいです。私が使っている機器はすべて1970年〜1980年製造のものです。現在の最新技術と私のシステムで比較してみたいものはいろいろあります。ともあれ、オーディオに果ては無いと思っていますので、手を入れるところは尽きませんね。 |